
風景はすべて誰かの手によって作られている、と話す少女がいた。
森にある木々の整列
等間隔の電信柱
海に浮かぶ船
積み重ねられたコップ
道に落ちていたマッチ箱
線の、上を、歩く。
それぞれの歩いてきた線が複雑に絡み合って、ある出来事につながるとき、
ひとりで生きていないこと、いつかの記憶を引きずったまま生きていることを思い知らされるのだ。
誰かの思想が、意図が、夢が、形となって作られた風景の前で、
私たちはいつだって誰かの仕組んだ物語の中に巻き込まれて生きているのだろう。
↘︎ Chef In Residence 特設ページ
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Drawing:仲間一晃 (Nakama Ikko)
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Text : Gökotta (ヨークオッタ)
記録媒体
記録者こいけりかを中心に、ある土地・コミュニティの中でしか生まれ得ない言葉や物語、光景の採集を行うことで、記憶の循環を多角的なアプローチで解釈していく。