HOUSEHOLDのふたり


料理人が滞在することでその土地の歴史や文化、食材を知り、そこで着想を得たレシピで料理をふるまうこと。

「シェフ・イン・レジデンス」という言葉は富山県・氷見市に住む笹倉夫婦から教えてもらった。




©︎HOUSEHOLD


氷見駅から歩いて7分。海を右目にまっすぐ歩くとそのビルは見える。

その名もHOUSEHOLD



白い壁に赤い階段、年期の入ったテーブルや椅子に荷物用のエレベーター。

元は呉服屋を営んでいたビルで、部屋のあちこちに年代物の桐ダンスや帯箱、反物が残されている。



この宿を経営しているのは笹倉慎也さんと奈津美さん。


2人の朝は早い。

毎朝5時半頃に起床し、部屋の窓から日の出を見るのが日課だ。


日本海で日の出は見られないと思われがちだが、氷見市はちょうど能登半島の付け根、富山湾の内側にあるので、

太陽は海からのぼり、山へ沈む。

(冬は海の向こうにみえる立山からのぼるそうです)








ゲストたちが無垢材でできたダイニングテーブルの席に着くと、

慎也さんは目の前で味噌汁をよそりながら、入っている魚や氷見の話をする。


その横で奈津美さんはゲストの好みに合わせておすすめの場所を提案したり、

近所の人との面白いエピソードを話しながら、ゲストの朝ごはんを彩っていく。



近所の豆富屋さんで仕入れたガンモにお手製のぬか漬け。

季節の野菜せいろ蒸しに、奈津美さん特製のゴマだれ(レシピは奈津美さんしか知らない)。

氷見市の美味しいお米と、食後のあたたかいハトムギ茶とコーヒー。



「この土地は日々生活の裏側を知ることができる。魚一匹が食卓に並ぶまでにたくさんの人の時間が積み重ねられているんだよ。」


これは笹倉夫婦が教えてくれたこと。



HOUSEHOLDのキッチンにはいつも人が溢れている。

それは初めて会うゲストだけでなく、朝ごはんの向こう側にも氷見に住まう人々の存在があるからだ。





海で魚を獲る人がいる、分ける人がいて、競る人いて、運ぶ人がいる。


これは魚に限った話ではないはずだ。

畑で採れた野菜も、田んぼで育ったお米も、山で採れる山菜も、どれも誰かの時間や想いが詰まっている。



笹倉夫婦はそういった日々の営みに目を向け、それぞれの仕事、時間の過ごし方を大切にし、

ゲストたちに朝ごはんを通して氷見の魅力を伝えている。



だからゲストにはキッチンを解放し、できるだけ氷見の素材で料理を楽しんでもらうことをすすめている。

「シェフ・イン・レジデンス」という仕組みも、そんな思いを抱いて用意しているのだろう。



料理を通して街を知る。

これは食べて楽しむだけでなく、その向こう側にいる人々と言葉を交わすことでもあるのだ。








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HOUSEHOLD


2018年夏にオープン。

「勝手口から始まる旅」というコンセプトのもと、料理を通して氷見を味わうことができる場所を提供。

宿泊するゲストたちは、近所のご飯やさんを堪能しつつ、1階にあるオープンキッチンで料理を楽しむことができる。

yane/nami の二つの部屋があり、1日二組限定。

カフェとギャラリーでは定期的にイベントが開催されている。

笹倉夫婦による氷見満喫情報は随時インスタにて更新中。




Place:〒935-0013 富山県氷見市南大町26-10


EVENT: POP UP FLOWERSHOP / workshop “CHRISTMAS ” by Rie wild vine wreath 2019







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